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キヤノンEOSユーザーとしては、いつかは手にしたいと思っていたEF70-200mm F2.8L IS II USMを一大決心して買ってしまいました。約1.5kgもあるレンズですが、それに値するバリューがあるのか?「パークで使う」視点でのレビューです。画像はすべてJPEG撮って出しです。
購入までの経緯というか言い訳
ちょうど1年前、フルサイズのEOS 6Dが登場して悩みながらも7Dから買い替えました。ボケ、ダイナミック・レンジの広さなどフルサイズの良さはある一方、望遠端が短くなる(リアルな焦点距離になる)ため、ハーバーの真ん中にあるものを撮るには豆粒ぐらいの大きさ。被写体を引き寄せて撮れないのはフルサイズとAPS-Cのトレードオフでした。
そこで、EF1.4X IIIを導入して280mmまでは引き寄せたものの、基本的にトリミングは極力しない派なので、1.4xでは満足行かずもっと引き寄せたい欲というのが…
そうなると選択肢は、EF400mm F5.6L、EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM あたりになりますが、EF400mm F5.6Lは手ぶれ補正が無し、EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMは1998年発売とかなり時間が経っているのでさすがにAF速度、手ぶれ補正の段数、デジタル一眼への最適化などの面で、新しく買うには見劣りがしてしまいました。
そうなると、200mm に 2倍のコンバーターという話になるわけですがEF2.0X IIIはF値が2段落ちるので、EF70-200mm F4L ISだと開放F8になり、EOS 6Dではオートフォーカスが効かなくなるので、必然的にEF70-200mm F2.8L IS II USMにレンズごと買い替えが必要ということで思い切ってみました。という言い訳はこれくらいにします。
開放カリカリふんわりボケ味
パークで70-200mmが最も活躍するのはショーやパレードになるでしょう。購入翌日に早速、リドアイルでセブンポートをAv優先 開放f2.8で撮ってみました。
被写体のミニーはカリカリなシャープさでありながら、背景のプロメテウス火山はふんわりとした美しくボケてくれます。EF70-200mm F4Lもとっても良いレンズですが、それとはまたひと味違った大口径Lレンズの魅力をまざまざと魅せつけてくれます。
同じくリドアイルで撮ったドナルド。石畳が手前から徐々にピントがあって、背景ボケしていく滑らかさは写真の奥行きを一層感じられるのは今まで味わったことのない感覚です。
浅い被写界深度を活かして
このレンズ、最短撮影距離が1.2mmなので近い被写体でも使うことができます。焦点距離160mmでバイシクル・ピアノの演奏風景を撮ってみました。開放では被写界深度が浅く袖から腕あたりぐらいでしょうか。
本当は手元にピントを持って行きたかったのですが、近距離で動きあるものはピントの合わせがとても難しいです。この浅さで近距離の被写体を狙うことの難しさとピントが決まった時の気持ちよさは、このレンズの楽しさのひとつでしょう。
もう1枚はテーブル・イズ・ウェイティング -クリスマス・キュイジーヌから。ドッグサイドステージのショーはキャラクターとダンサーさん、背景が何層にも重なるので、手前のミッキーにピントを合わせると背景がきれいにボケてくれます。これも被写界深度が浅さゆえの楽しさです。
パークの風景撮り
フルサイズで70-200mmなので望遠レンズに分類されますが、普通にパーク風景撮りでも活躍します。
テレ端200mm 開放f2.8でビッグサンダー・マウンテンの横を通過するウエスタンリバー鉄道を撮ってみました。被写体はきちんと描きつつ、ふんわりしたボケで被写体がより引き締まった感じは気持ち良いです。
クリスマスのトゥーンタウンの1枚。開放だと周辺減光が若干ありますが、1段絞るとほぼ気にならないレベル。またやや逆光な状況でもこのレンズの逆光耐性とフルサイズのダイナミックレンジが広さもあってか、水色の空から赤い建てものまできれいに表現してくれました。
手持ち夜景撮影に挑戦
このレンズの明るさ、約4段分の手ぶれ補正に加えて、EOS 6Dの高感度特性を活かした手持ち夜景は、三脚の使えない東京のパークでは期待したいところです。
まずは夜のハーバーのトランジット・スチーマーライン。肉眼でもかなり暗いのですが、しっかり船を捉えることができました。
手ぶれ補正が約4段分あるのもEOS 6DではISO12800まで常用感度として使えるので、それに4段分の手ブレ補正があれば手持ちの夜景撮影には心強いです。
重さと値段を忘れさせるレンズの魔力
3週間ほど使ってみて、このレンズに対して一番変わった印象は「重くない」ことです。スペック上は1490gもあるので、こんな重いレンズを持ち歩けるのかという不安から購入に二の足を踏んでいたのですが、実際手にしてみるとその重さを忘れる魅力がありました。また、お値段もかなりの勇気を持たないと踏み切れない金額ですが、使ってみるとそれだけの出費を後悔させず、EFマウントを使い続けるならずっと使えるレンズだと思います。
最後にエントランスの燕尾ミッキーを列の外から撮ってみた1枚です。とろけるような背景の中に浮かび上がるミッキーとてつもなくかっこよく見えます。
素晴らしい描画とは引き換えに、大きく太いレンズは不用意に振り回すと周囲に迷惑になる可能性もあるので、持ち歩きや撮影時には周囲への配慮も必要なことも付け加えておきます。
今回はレンズ本体のみでのレビューでしたので、エクステンダーを付けてのレビューはまた別に書こうと思います。
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